令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ人物編! 今回は、頼家様の次男にして鶴岡八幡宮寺別当、公暁(こうぎょう)殿!!
あ、鶴岡八幡宮寺っていうのは、当時は神仏集合で寺と神社の区別がなかったんだ。だから鶴岡八幡宮のトップがお寺の坊さんなんだ。
なぜ読みが変わったの?
鎌倉時代に少し詳しい者は、公暁殿の配役が発表されたときに、「あれ?」と思った事だろう。公暁殿の読み、「くぎょう」と覚えていた人がほとんどだったと思う。
知らなくても無理はない。公暁殿の読みが「こうぎょう」と判明したのは、ここ2、3年ぐらいのことだから。鎌倉時代の最新研究を追ってでもいないと、なかなかわからない事だと思う。
この読みを発見したのは仏教の研究者。公暁殿の師匠とそのまた師匠が「公○」という名前で、2人とも読みが「こう○○」という読みだったからだ。師匠2人が「こう」なのに、公暁殿でいきなり「く」になるはずはない、というわけだ。
では逆に、なんで今までわからなかったかというと……単純に、文献にふりがながなかったからなんだ。だから暫定で「くぎょう」と数百年間読んでいた。
ひょんなことでガラッと認識が変わる。歴史って面白いな。
孤独な暗殺者?
公暁殿といえば、実朝様暗殺事件の事だろう。和樂webの過去記事にもいくつかあるとおり、現代では公暁殿の単独犯説が有力だ。
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当時オレは、確か京都にいたと思う。800年も前の事だから詳しい記憶は曖昧だけど、知らせを聞いてびっくりした事は覚えてるよ。
あの時、確か公暁殿って千日籠りの最中だったよな? 千日の間、誰とも会わず、情報を遮断するっていう苦行だ。
現代人だと「楽勝じゃん」って思えるかもしれんが、もちろんスマホもパソコンも、テレビもゲーム機もないんだぞ! 千日間、毎日山の中を歩き、お経を読むだけ。
過酷すぎて自ら命を絶つ事もあるらしい。現代でも千日籠りを成功させた僧がニュースになってたっけな。和樂webでも12年間もの山籠りを成功させた僧にインタビューしているから、どれだけ過酷かわかると思う。
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そんな孤独で辛い修行の最中じゃ、良からぬ思いにとらわれる事もあろうよ。しかも公暁殿は若い。若すぎた。数え19。現代ならちょうど高校2年生ぐらいなんだ。
公暁殿がもうちょっと世の中の事を知っていれば、運命は違っていたかもしれないな。
公暁役、寛一郎殿について
おおおお! 鋭い刃物を思わすような雰囲気! 公暁殿にピッタリだな! しかも寛一郎殿、上総広常殿役だった、佐藤浩市殿のご子息なんだって?
なるほど、中の人的にも「親の仇をかく打つぞ!」というわけか! ……どっちにしても実朝様、とばっちりじゃねーか!! うう……守りたい……実朝様……。
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1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)