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2026.01.30

佐伯祐三『立てる自画像』を詳細解説!【和樂〝原寸〟美術館】

気になる最新の展覧会情報を網羅した、『和樂』本誌の連載企画「美術展カレンダー」。そのなかから、今すぐチェックしておきたい情報をピックアップします。今回は毎号の扉ページに原寸の部分アップを掲載し、作品と展覧会の魅力を解説した「今号の〝原寸〟美術館 作品の全貌はこちら!」の、SOMPO美術館「開館50周年記念 モダンアートの街・新宿」で展示される佐伯祐三『立てる自画像』の物語です。

〝原寸〟作品、佐伯祐三『立てる自画像』の全貌

明治・大正・昭和時代に〝芸術村〟だった新宿を回顧

2026年に開館50周年を迎える東京・新宿のSOMPO美術館で開催されるのが、〝新宿〟をテーマにした企画展です。
明治時代末期、画家や作家など新進的な芸術家が集まったのが新宿でした。

「新進の芸術家たちを支えたのが『新宿中村屋』の創業者、相馬愛蔵(そうまあいぞう)・黒光(こっこう)夫妻です。日本の近代美術のルーツのひとつともいえるこの中村屋サロンと、文学同人誌の『白樺』の拠点が新宿だったのです」(SOMPO美術館 本展担当学芸員:古舘遼〈ふるたてりょう〉さん)

才能と意欲に満ちた画家や彫刻家、作家に音楽家など、さまざまなジャンルの芸術家たちが集った新宿という街を通して改めて鑑賞する日本のモダンアート。
今回(本誌で)、原寸サイズで見ていただいたのは、新宿・下落合に拠点を置いた画家、佐伯祐三(さえきゆうぞう)の作品です。

「妻子とともに渡ったパリで作品をアカデミック(格式的)だと批判されたことがひとつの転機となり、佐伯は写実から都市の風景を速記的に描く画風へと変貌を遂げます。本作は塗りつぶされた顔に目がいきがちですが、筆運びを見てください。一気呵成に走らせたような、迷いのない筆跡が見て取れます」

写実画を描いていたとは思えない風変わりなこの作品。
正面向きに立つのに足元だけが真横を向いているという点にも注目です。

〝写実〟から〝へたうま〟へ!?

佐伯祐三 『立てる自画像』 1924年 油彩/カンヴァス 80.5×54.8㎝ 大阪中之島美術館蔵

自画像の代表作。写実的な描写から脱したのちに確立した速記的な画風によるもので、塗り直しがなく、塗り残しも気にしていない、まるでひと筆で描いたかのよう。背景には遠近をつけているが、人物は紙人形を思わせる平面的なシルエット。正面を向いて立つ姿勢は画家としての自負をうかがわせる一方で、顔面は描いたあとにパレットナイフで削り取られ、その表情はうかがえない。不思議な魅力をたたえた作品。

「開館50周年記念 モダンアートの街・新宿」
SOMPO美術館(東京) ~2月15日

SOMPO美術館DATA(和樂提携美術館)

住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(金曜日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日・振替休日の場合は開館、翌平日休館)、展
示替え期間、年末年始
公式サイト:https://www.sompo-museum.org/

◆『和樂』「全国厳選!美術展カレンダー」とは?

『和樂』本誌では、発売期間中に全国で行われている展覧会を、作品情報とともに紹介しています。掲載しているのは全国の著名な美術館・博物館。お目当ての展覧会を見に、また旅先での美術館巡りなどで、ぜひともご活用いただきたい【和樂 提携美術館】の優待券を毎号お届けしています!詳細は本誌でご確認ください。

【和樂 提携美術館】

山形「土門拳写真美術館」、茨城「笠間日動美術館」「徳川ミュージアム」、群馬「原美術館ARC」、千葉「千葉市美術館」、東京「永青文庫」「太田記念美術館」「菊池寛実記念 智美術館」「五島美術館」「サントリー美術館」「泉屋博古館東京」「東京ステーションギャラリー」「パナソニック汐留美術館」「三井記念美術館」「三菱一号館美術館」「森美術館」「山種美術館」、神奈川「岡田美術館」「川崎浮世絵ギャラリー ~斎藤文夫コレクション」「ポーラ美術館」、長野「軽井沢千住博美術館」「サンリツ服部美術館」「日本浮世絵博物館」、静岡「MOA 美術館」、愛知「徳川美術館・名古屋市蓬左文庫」、京都「泉屋博古館」「福田美術館」「細見美術館」、奈良「松伯美術館」「大和文華館」、和歌山「高野山霊宝館」、兵庫「芦屋市立美術博物館」、島根「足立美術館」(都道府県別・五十音順)

※本記事は雑誌『和樂(2026年2・3月号』の転載です。
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和樂web編集部


取材・文/小竹智子 構成/剣持亜弥、鈴木智恵(本誌)
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