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2026.03.05

世界最古の木造建築に、城の最高傑作! 全国のご自慢「国宝」大調査 【part6:京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山】

好評だった本誌記事・全国のご自慢「国宝」大調査シリーズより、北から順に5つずつ紹介していきます。Part6の近畿5県は、国宝件数TOP5の2位から5位と、6位の和歌山県。古くから栄えた各県のご自慢国宝は、一度は目にしたい歴史的名宝ばかりです。

京都府(国宝:239件)

中国寺院の様式を色濃く残した、京都で最新の国宝!
■「萬福寺」(大雄宝殿、法堂、天王殿)

読み:「まんぷくじ」(だいおうほうでん、はっとう、てんのうでん)

禅宗のひとつである黄檗宗(おうばくしゅう)大本山「萬福寺」は、中国・福建省(ふっけんしょう)の萬福寺住持であった隠元隆琦禅師(いんげんりゅうきぜんじ)を招請(しょうせい)して創建されました。伽藍(がらん)は中国に倣(なら)った建築様式と、日本の様式を折衷(せっちゅう)した独自様式で、特徴的な風景が広がっています。その中心である大雄宝殿、法堂、天王殿の3棟が2024年12月、国宝に指定され、京都で最も新しい国宝となりました。
●つくられた時代:江戸時代初期
●見られる場所:「萬福寺」 京都府宇治市五ケ庄三番割34
●公式サイト:https://obakusan.or.jp/
隠元豆や煎茶とともに隠元が日本へもたらした「普茶(ふちゃ)料理」(普茶弁当3,300円~)も、ぜひ!

大阪府(国宝:62件)

1800年もの歴史を伝える、水都・大阪の守護神!
■「住吉大社」

読み:「すみよしたいしゃ」

「すみよっさん」と呼ばれて親しまれている住吉大社は、古代に起源をもち、外交、貿易、産業を守る「海の神」として信仰されてきました。4棟からなる本宮は神社建築の最古の様式のひとつとされる住吉造(すみよしづくり)。4棟はすべて同形式同規模で、西側の海に向かって立っています。現在の本宮は江戸時代中期に造営されたものです。
●つくられた時代:文化7(1810)年
●見られる場所:「住吉大社」 大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
●公式サイト:https://sumiyoshitaisha.net/
写真は第二本宮。ほかに24件の重要文化財があり、淀君(よどぎみ)が奉納したと伝わる通称「反橋(そりはし)」(太鼓橋)など、見どころが目白押し。

兵庫県(国宝:21件)

白く輝く優雅な姿が白鷺にたとえられる、城の最高傑作!
■「姫路城大天守」

読み:「ひめじじょうだいてんしゅ」

大天守と小天守(西・乾) 写真提供/姫路市

外壁や屋根に白漆喰(しろしっくい)が施され、白鷺城(しらさぎじょう)と称される「姫路城」は、多数の建造物が国宝・重要文化財に指定。木造建造物の最高傑作とされ、世界遺産にも登録されています。大天守は5重、地下1階、地上6階という規模の大きさ。それに西小天守、乾(いぬい)小天守、東小天守が渡廊下(わたりろうか)でつながれた、連立式天守であることも特徴です。
●つくられた時代:慶長14(1609)年
●見られる場所:「姫路城」 兵庫県姫路市本町68 所有:国(文部科学省)
●公式サイト:https://www.city.himeji.lg.jp/castle/
姫路城は「大天守」以外にも、「西小天守」、「乾小天守」「東小天守」、「イ、ロ、ハ、ニの渡櫓(わたりやぐら)」が国宝に指定されている。

奈良県(国宝:208件)

世界最古の木造建築として、だれもがよく知る国宝がここに!
■「法隆寺金堂」

読み:「ほうりゅうじこんどう」
聖徳太子(しょうとくたいし)時代の伽藍が天智(てんじ)9(670)年に焼失。その後建立された現在の西院(さいいん)伽藍の金堂は、現存する世界最古の木造建築です。全体の均衡がとれている造形は、どっしりとした風格があります。この国宝建造物の内陣の広い須弥壇(しゅみだん)には、飛鳥(あすか)時代の仏像が数多く安置され、日本の歴史に立ち会っているかのような気持ちになります。
●つくられた時代:飛鳥時代(593~709年)
●見られる場所:「法隆寺」 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
●公式サイト:horyuji.or.jp
金堂の内陣には、飛鳥時代を代表する釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)、薬師如来像(やくしにょらいぞう)、四天王像のほか、鎌倉時代の阿弥陀三尊像、平安時代の毘沙門天(びしゃもんてん)・吉祥天(きっしょうてん)像などを安置。
参考画像はこちら!

和歌山県(国宝:36件)

空海ゆかりの高野山にある県内最古の木造建築
■「金剛三昧院多宝塔」

読み:「こんごうさんまいいんたほうとう」

写真提供/(公社)和歌山県観光連盟

源頼朝(みなもとのよりとも)の菩提(ぼだい)を弔(とむら)うため、北条政子(ほうじょうまさこ) は高野山(こうやさん)に禅定院(ぜんじょういん)を創建。その規模を拡大して「金剛三昧院」と名を改められた際に、頼朝と実朝(さねとも)父子の供養のため多宝塔を建立。多宝塔は和歌山県内で最も古い建造物でもあります。内部は全面に彩色が施され、天井には細やかな細工もなされていて、華やかな空間になっています。
●つくられた時代:貞応2(1223)年
●見られる場所:「金剛三昧院」和歌山県伊都郡高野町高野山425
●公式サイト:https://www.kongosanmaiin.or.jp/

都道府県別国宝件数TOP5

順位 都道府県 件数 (美術工芸品/建造物)
1位 東京都 292件(290/2)
2位 京都都 239件(186/53)
3位 奈良県 208件(144/64)
4位 大阪府 62件(57/5)
5位 滋賀県 56件(34/22)

上位は、現在の首都と、かつて都が置かれた関西の4府県。政治、経済の中枢には、文化財も多いことがわかります。注目したいのが1位東京の建造物で、わずか2件だけ。江戸時代からの建物は戦災の影響もあって極端に少なく、美術館・博物館が所蔵する美術工芸品が大多数を占めているのです。

全国のご自慢「国宝」大調査シリーズ一覧はこちら

※本記事は雑誌『和樂(2025年6・7月号』を再編集した転載です。
※件数に2025年3月に答申された「伎楽面」「物語下絵料紙金光明経巻第二」など4件は加えていません。
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和樂web編集部


構成/山本 毅、後藤淳美(本誌)
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※『和樂』2026年4・5月号 美術展カレンダーに誤りがありました。P.224で紹介しました、福岡県・久留米市美術館で開催中の「美の新地平ー石橋財団アーティゾン美術館のいま」の入館料は、正しくは一般1,500円となります。お詫びして訂正いたします。
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