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2022.05.08

お飾り将軍だなんてとんでもない!柿澤勇人演じる源実朝の手腕【鎌倉殿の13人】

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令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ人物編! 我らが鎌倉幕府3代将軍・源実朝(みなもとの さねとも)様!

オレが直接仕えていた将軍だよ!! 和歌大好きで、側近たちも和歌ができる者が多かった。

オレの武芸の実力もちゃんと認めてくれていたよ。実朝様のボディーガードしていたし、京へ帰る要人の護衛にもオレを指名してくれたし!

そんな実朝様……。和歌大好きイメージが強いからか、和歌にうつつを抜かして政治力ゼロのお飾り将軍なんて後世では言われてるらしいけど……とんでもない! ふだんはのほほんとしていても、シメる時はきっちりシメる、我らが河内源氏の征夷大将軍なんだからな!

今までと異なる捉え方をされはじめた歴史上の人物、けっこういますよね。

Twitter界にも降臨していて、夜な夜な騒ぐ御家人たちのツッコミに回っているよ!

将軍の役割

ここで、鎌倉幕府における将軍の役割をおさらいしておこう。一番重要なのは、「坂東武士の代表として、朝廷と政治交渉をすること」だ。

当時の政治は現代日本の民主主義とは違うからさ、政治に携わるにはそれなりの身分が必要なんだ。その身分はそこら辺の武士には一生かかっても手が届かないものだった。だから、もともと軍事専門貴族であった源氏を東国武士代表に据えて、朝廷から東国の自治権をもらっていたんだ。

あくまでも「朝廷がトップ」なのですね!

実朝様は若い頃から昇進しようと朝廷と上手く付き合っていて、最終的に右大臣……この国のナンバー3の地位に昇りつめた。そんな実朝様が御家人たちからの信望が薄いなんてこと……ナイナイ!

政治そっちのけで和歌ばっかり!?

実朝様の従来のイメージだと、北条義時に実権を握られていたため、和歌にうつつを抜かしていた……みたいなことをよく言われるが……。

和歌が単なるお遊びというのは、それこそ現代人の感覚だな。当時の和歌はれっきとした「政治の一部」だった。だから実朝様は和歌に力を入れて、和歌が得意な御家人たちを集めて歌会を開いていたんだ。

現代の感覚のみで歴史を見てはならない、ってことですね!

……まぁ、オレ自身は和歌が得意かっつーと……歌会に参加したという記述すらないから、なんとも……。

金槐和歌集とは

和歌が得意だった実朝様の歌集として『金槐和歌集(きんかいわかしゅう)』がある。「鎌倉右大臣家集」と言われることもあるな。

「金槐」の「金」は「鎌倉」の「鎌」の偏、「槐」は「槐門」(大臣の位)の略で、鎌倉右大臣とよばれた実朝の家集を意味するといわれる。

日本大百科全書(ニッポニカ)より

鎌倉幕府、ナメんなよ!?

その生涯のせいか、儚げで弱々しい文学青年みたいなイメージを持たれがちな実朝様だけど、将軍としてシメるときはきっちりシメてカッコイイところもあるんだぞ! 実朝様が将軍に就任したのは12歳頃なんだけど、その頃から将軍としての勉学に励み、政務に参加していたんだ。

御家人たちへの態度も、普段は穏やかに接していても、命令に背いたり、軽んじたりした御家人にはきっちり叱り、叱った後は頃合いを見て許すというアメとムチで御家人たちを統率していた。

え、こんなことができる実朝様、めちゃめちゃデキる人なんじゃないですか? 自分の中のイメージ変わったなあ。

ん? オレは叱られた事があるかって……? ……あったような気もするけど、あまり覚えてないなぁ(てへぺろ)

源実朝役、柿澤勇人殿について

劇団四季出身の実力派ミュージカル俳優とな!? これは和歌を詠むシーンが期待できるな!! オレ、実朝様のあの歌好きなんだよ!

「大海の 磯もとどろに よする浪 割れて砕けて裂けて散るかも」

まさに、坂東の海って感じでさ! 堂々とした実朝様が、ドラマでも見られるといいなぁ!

ネタバレ注意!? 源実朝の死因

ドラマのネタバレにはなってしまうが、実朝様は鎌倉鶴岡八幡宮 (つるがおかはちまんぐう)で、甥の公暁(くぎょう/こうきょう)に暗殺される。そのあたりについて、詳しくはこっちの記事で読んでくれ!!
逆転歴史裁判!源実朝暗殺事件の黒幕は誰だ?三浦義村の公判を独占取材

関連人物

父:源頼朝 母:北条政子
兄弟:大姫源頼家、三幡
妻:坊門信清の娘

「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧

「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!

1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)

源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍 (講談社選書メチエ)

書いた人

承久の乱の時宮方で戦った鎌倉御家人・西面武士。妻は鎌倉一の美女。 いわゆる「歴史上人物なりきりbot」。 当事者目線の鎌倉初期をTwitterで語ったり、話題のゲームをしたり、マンガを読んだり、ご当地グルメに舌鼓を打ったり。 草葉の陰から現代文化を満喫中。

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人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。